〜現代版「赤ひげ」の育成を目的とした長崎県五島列島における包括的保健・全人的医療教育の実践〜

平成16年度文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム（GP）」に長崎大学の「地域と連携した実践型医学教育プログラム」が採択されました。このプログラムは離島実習を通して現代版”赤ひげ”医師を育成することを目的としています。本医学部では、病める人と良好なコミュニケーションができ、病気を診るだけでなく病める人の心とおかれている環境を洞察しつつ（全人的医療）、病気を治癒するだけでなく医療チームや家族と力を合わせ、患者の家庭・社会への復帰や社会の偏見を克服して患者の社会参加を真摯に目指す（包括的保健）医師を育成することを教育理念としています。こうした全人的医療と包括的保健を実践できる医師こそが21世紀に求められる医療人であり、人間味あふれた現代版”赤ひげ医師”とも言えます。本取り組みは本医学部の教育理念に基づいた過去の取り組み実績の延長線上に位置づける高年次実践型臨床実習であるとともに、地域（離島）医療に貢献できる医療人の育成という地域の切実な要請に応える点で他に類例のない特色的なものです。