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(クリクラ学生)
石松 愛実
杉本 智帆
阿部 由紀子 |
私達は、2018年2月14日に横浜市立大学の法医学研究室を訪問し、2件の解剖に参加させていただきました。
解剖では、横浜市立大学と長崎大学との違いを多数感じました。音声入力などの共通点もありましたが、所見の取り方や解剖の手順、事前に警察から情報をどれだけ聞いておくかなどの違いがあり、解剖を行う施設や執刀する法医学者によって重要視する点が違っていると感じました。神奈川県は年間の解剖数が日本で最も多い県であり、長崎県と比較しても人口が多い分だけ解剖・検案される症例は多くなります。また、長崎や島なら水中死体、工業地帯なら爆発事故、一部の海外であれば銃創など、遺体の種類や死因にも地域によって違いがあります。このような違いが、施設ごとの違いにつながっているのではないかと思いました。また、解剖後の遺体を引き取りに来たのは、警察ではなく葬儀社の方でした。神奈川県では多くの警察署に遺体を保管するための冷凍庫が用意されていないため、解剖後の遺体は葬儀社の方が引き取りに来るとのことでした。県により、このような違いもあるのかと驚きました。
また、解剖の途中、警察の方に簡単な説明を求められる場面がありました。しどろもどろに説明しながら、医療関係者以外の方へ説明することの難しさを感じました。法医学者が解剖結果を説明する相手は、警察、遺族、裁判官、弁護士、裁判員などであり、それぞれに基礎知識や理解の程度が異なっています。その違いを探りながら正確に過不足なく説明するためにも、法医学者は医療関係者以外の方の知識や感覚をある程度知っている必要があり、コミュニケーション能力が重要になるということを改めて実感しました。
今回の横浜市立大学法医学教室での実習、そして長崎大学法医学教室でのクリクラを通して、医学を学んだ者として疾病に関わるだけでなく、犯罪や事故などによる異状死と向き合うことの重要性を身を以て実感することができたと感じています。将来、法医学者を目指すとしても臨床医を目指すとしても、法医学や死因究明の重要性は日々忘れずにいなければならないと思います。
最後になりましたが、このような機会をくださった横浜市立大学法医学教室の井濱先生、長崎大学法医学教室の池松先生をはじめとした関係者の皆様に感謝いたします。今回学んだことを今後に活かしていけるよう努力してまいります。ありがとうございました。
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