私どもの教室は1921年(大正10年)3月 初代教授 浅田 一先生が開講されて以来約90年の歴史を有している。法医学の根幹は犯罪死を見逃さないことや冤罪をなくすこと等、実務(解剖鑑定、個人識別、生体鑑定など)の確実な遂行にあり、研究・教育もこの実務にフィードバックできる内容であることが必須である。従って、法医学分野が対応すべき内容は社会情勢の変遷にともない多岐に亘っている。
近年の児童虐待届出数の急増、自殺による死者数3万人強が約10年間継続、急速な高齢化社会の出現に伴なう無縁社会における孤独死の問題等々、犯罪死の見逃し防止以外でも法医学が対応しなければならないテーマが急増しているのが現状である。
このような状況化で、私どもの教室で取り組んでいる死因究明のあり方や研究、教育内容などを紹介し、法医学の実像を皆さんに理解して頂き、このHPを社会に向けての私どもの教室から情報発信の場にしたいと祈念している。
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