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徳島大学
主田 英之 |
1895年にドイツのレントゲン博士がX線を発見して以来、X線撮影は、物理や医学の分野で様々に利用されてきました。医学の分野では、放射線医学と呼ばれ、放射線診断・放射線治療と大きく発展してきました。これと同時に、法医学の分野でも、放射線撮影が大きな貢献を果たしてきました。発見の翌年である1896年にはすでに死体を撮影していたと言います。そして、近年さらに大きく発展してきました。
法医学分野では、以前より、外傷、骨の発達程度、異物の検出(特に銃弾など金属片)に単純エックス線写真が用いられてきました。世界的に法医学教室・研究所には、解剖室の並びにエックス線検査室や装置を備え必要に応じて利用してきました。
コンピューター断層撮影(CT)は1960年代に考案され70年代に実用化された、臨床の現場では、よく知られた装置です。この診断技術は、医学の進歩に大いに貢献したことは疑いもないことです。しかし、様々な問題により、法医学分野では、あまり普及しませんでした。それでも、20世紀末から徐々に世界中で実施されるようになってきました。
今回は、最近の法医画像の話題を、海外の情報を織り交ぜながら紹介します。 |
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