腎移植
腎移植(腎臓移植)を希望される方へ
腎臓の機能が著しく低下した場合、腎臓の代わりになる治療を行わなければ命を落としてしまいます。この治療を腎代替療法といいます。一般的に腎代替療法として「血液透析」、「腹膜透析」、「腎移植(腎臓移植)」の3種類が行われています。その中でも「腎移植」はやや大きな手術を受けなければならないものの、患者さんの全身状態と寿命は他の腎代替療法と比較して圧倒的に改善する可能性が高いといえます。
当科では、倫理的問題がない限り、腎移植を希望される方には可能な限り手術を受けていただけるように対応しております。そのため福岡県を含めた九州一円のみならず、大阪府や兵庫県等の関西地区、愛知県等の中部地区、さらに遠方では北海道からも手術を受けに来ていただいています。当院で適切な手術を施行し、地元で術後管理を受けていただきながら、必要時のみ当院に再度受診いただくという対応もすでに確立しています。
当科は全国の腎移植施設でも数少ない、「自科で血液浄化療法を実施している施設」です。術後万一拒絶反応等により血漿交換療法等が必要になっても、迅速に対応できるという大きな利点を有しています。腎代替療法のトータルケアが行える施設として、患者さんが最大限のメリットを享受できるよう寄り添って参ります。
長崎大学における腎移植の歴史
長崎大学泌尿器科では1965年から腎移植手術を開始し、約60年の歴史を持つ国内で最も歴史のある施設のひとつです。血液型不適合移植や高齢者間移植等のハイリスク移植、小児移植や2次移植等も率先して行って参りました。
また必要がある方には外科と協力して膵腎同時移植や肝腎同時移植にも対応しております。移植後の合併症の一つとして感染症管理は非常に重要ですが、長崎大学はわが国で最も感染症に長けた施設であり、感染症内科とも協力しながら、術前術後管理を丁寧に行っています。
長崎大学における腎移植の特徴
当科には複数の腎移植専門医が在籍しており、日本移植学会移植認定医、日本臨床腎移植学会腎移植専門医として、手術や管理にあたっています。中でも腎移植グループ長である今村亮一医師は、長らく大阪大学腎移植グループの責任者として、これまで数多くの腎移植の執刀、手術指導、管理を行ってきました。また望月保志医師は、長崎大学血液浄化療法部で腎不全外科の統括医として腎不全患者さんの透析管理、腎移植管理を総合的に行ってきました。さらに長崎大学では他施設に先駆けて、腎移植の総合的な管理を腎臓内科医、リハビリテーション医、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、移植コーディネーターといった各職種が連携して総合的に管理する方法を採用し、患者さんがより健康で安定した状態を維持できるように努めています。
長崎大学病院では透析管理も泌尿器科と腎臓内科で合同で行っており、腎不全診療におけるトータルマネージメントを関連各科が一体になって施行しています。
ぜひ我々のもとで腎移植を受けてください。我々は万全の態勢で、良好な健康寿命を得ることができるようにお手伝いをしてまいります。