移植手術までの流れ
~初診から入院まで~
レシピエントさんについて
初診日
初めて腎移植相談外来に来院されると、担当医およびコーディネーターから腎移植の必要性や優位性、危険性等を詳細に説明します。全体の説明を行いますので、可能な限り腎移植を受けられる方だけでなく、ドナー候補の方、ご家族の方と共に来院してください。当日移植を受けるかどうか決定して頂くことはほとんどありません。説明した情報を持ち帰って頂き、全員が理解の上納得し、生体ドナー候補者が提供を申し出られた時点で検査を開始します。
腎移植を受けると決めたら
再診予約をとっていただきます。予約の方法や術前検査はコーディネーターから説明いたします。
検査の内容は、ドナーさんに対する腎機能の評価と免疫学的な適合性(いわゆる「合う」か「合わない」か)を確認する検査、一般的な全身状態の評価(悪性腫瘍や感染症などがないかどうかも含む)があります。レシピエントさんに関してはいわゆる「虫歯」があっても腎移植を受けて頂くことはできませんので、歯科も受診して頂きます。また過去にかかられたご病気がある場合、必要に応じて追加検査を行います。また、適切な判断力を持って十分に移植及び提供について理解していることを必ず第三者(長崎大学病院では精神科医師)に確認してもらいます。
具体的な術前検査
主な術前検査を列記いたします。基本的には入院は不要で、外来通院で検査を受けて頂きます。なお献腎移植を希望され日本臓器移植ネットワークに登録する場合も、登録前に同様の検査を施行いたします。
組織適合検査 |
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全身状態の評価 |
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他科受診検査 |
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上記の検査や受診以外にも、病歴や検査結果によってはさらに他の受診や検査を必要とすることもあります。
移植の評価検査は、基本的に通院で行っていきますので、複数回病院に来院していただきます。検査結果で異常が見つかれば、さらに検査や他科受診などを行う必要が出てきます。
初回外来受診から、移植手術までは生体ドナーの検査の進行状況にもよりますが、約2~3ヶ月程度かかります。検査結果で異常が見つかったり、追加精査が必要になったりした場合には、それ以上かかる場合もあります。私たちのポリシーとして、レシピエントや生体ドナーが安全に手術を行えるように、十分な時間をかけて検査を行っています。
ドナーさんについて
初診日
初めて腎移植相談外来に来院されると、担当医およびコーディネーターから腎移植の必要性や優位性、腎移植および移植用腎採取の危険性等を詳細に説明します。全体の説明を行いますので、可能な限りレシピエントの方、ご家族の方と共に来院してください。当日移植を受けるかどうか決定して頂くことはほとんどありません。説明した情報を持ち帰って頂き、全員が理解の上納得された時点で検査を開始します。
具体的な術前検査
主な術前検査を列記いたします。基本的には入院は不要で、外来通院で検査を受けて頂きます。
組織適合性検査 |
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全身評価 |
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他科受診 |
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上記の検査や受診以外にも、病歴や検査結果によってはさらに他の受診や検査を必要とすることもあります。
腎機能評価について
腎臓を1つ提供すれば、残りの1つで提供された方の何十年間かの人生を支えていかなければなりません。腎臓が1つになったときの影響を予測し、将来腎不全に至る可能性がないかどうかを確認するために、正確な腎機能の評価が必要となります。腎機能の評価は血液検査と尿検査の両方を用いたクレアチニンクリアランス検査またはイヌリンクリアランス検査を行います。一定の条件を満たせば腎提供は可能ですが、腎機能が不十分な場合は、腎提供をお断りする場合があります。
腎機能はほとんどの患者さんで左右差を認めません。万一左右差を認めた場合は、ドナー保護の観点から腎機能の悪い方の臓器を提供して頂きます。