研究|長崎大学医学部 生化学教室

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研究

肝再生のエピジェネティクス

日本は肝臓疾患多発地域のひとつであり、肝臓疾患は死因として重要な位置を占める.日本国内に於いて九州は東北と比較して1.5〜2倍と肝炎発生が高率です.さらに広島・長崎原爆被爆者のデータから肝炎と放射線被爆との関連性が指摘され現代の社会問題でもある.急性肝炎のうち年間500〜1,000人は劇症化し、一旦劇症化するとインターフェロンの開発などにも関わらず死亡率は高く、従来の内科的方法では救命困難です.劇症肝炎に対する新規治療領域開発は医学的・社会的に必要性が高い.長崎で同定したエピゲノム調節酵素は,劇症肝炎からの回復に必須な肝臓再生プログラムのスイッチをオン/オフする酵素と考えられます。この新規酵素を標的とした核酸創薬により,肝臓の再生能力を高めることにより劇症肝炎の新規治療領域を開発します. 肝臓再生の核内での現象にフォーカスを当て劇症肝炎における肝再生を促進する因子を明らかにします.長崎大学第二外科、臨床薬物動態学との共同研究です. 肝細胞の初代培養、遺伝子のノックダウン、核酸のデザインなどを大学院生に教授しながら東美樹が中心となりプロジェクトが進行中です.

(文責;長崎大学医学部生化学教室 伊藤敬)

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