教室紹介

   教授あいさつ 長崎大学医学部泌尿器科学教室教授酒井英樹
長崎大学医学部泌尿器科学教室
教授 酒井 英樹

 このたび2009年7月1日付けで長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座・腎泌尿器病態学分野の教授に就任し、泌尿器科学教室を主宰させていただくことになりました。長崎大学泌尿器科学教室は1961年に皮膚泌尿器科学教室より分離独立し、初代近藤 厚教授(1961~1980年)、2代目斉藤 泰教授(1980~1999年)、3代目金武 洋教授(2000~2009年)のもとで発展を続けてまいりました。私は第4代目の教授として教室の伝統を引き継ぎ、優秀な泌尿器科医を育成するとともに泌尿器科学の進歩並びに地域医療の充実に貢献できるよう尽力したいと思っています。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 さて、これからの教室の主要な目標を次に挙げたいと思います。
 第一に、泌尿器がん(前立腺がん・腎がん・膀胱がんなど)の死亡数を減らすことを目標とします。わが国では泌尿器科のがんによる死亡数が年々増加しています。これまでの教室の研究成果を活かし、がんの早期発見と早期がんに対する適切な治療法の提供、さらに進行がんに対する新しい治療法の開発など、包括的ながん研究と診療を推進し、泌尿器がん死亡数の減少に貢献したいと考えています。
 第二に、腎不全患者の生存率とQOL(生活の質)の向上を目標とします。長崎大学泌尿器科では40年以上前から腎不全の根本的な治療である腎移植に取り組み、多数の生体腎移植および献腎移植を行っています。今後さらに腎移植を推進するとともに、長期透析患者のQOL向上のために副甲状腺手術やブラッドアクセス手術など、腎不全外科の充実を図ります。
 第三に、少子高齢化社会における重要課題として、高齢者に多い排尿障害の治療・管理および女性の尿失禁あるいは骨盤臓器脱に対する低侵襲治療を推進します。さらに、尿路性器の先天性障害に対する小児泌尿器科診療のさらなる充実を図ります。
 そして、このような目標を達成するためには、何よりも教育が大切であると思います。教室の若い人達、これからの入局者や研修医、そして医学部の学生に泌尿器科学の重要性を知ってもらい、使命感を持った臨床医を育成したいと思っています。

 

 長崎大学泌尿器科は泌尿器がんの外科手術、副腎内分泌疾患に対する腹腔鏡手術、腎移植、腎不全患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺摘除術+自家移植、小児泌尿器科手術、尿失禁・性器脱に対する婦人泌尿器科手術など、広い領域の外科治療を行っています。また、前立腺がんに対する最新の強度変調放射線治療および密封小線源治療などの手術以外の根治的治療にも力を入れています。さらに、尿路性器感染症の治療、がん化学療法、腎移植後の免疫抑制療法などの内科的治療も担っています。また、腎不全の治療ではきめ細かな全身状態の管理が必要です。このように長崎大学泌尿器科が扱っている領域は外科的・内科的要素を含み全身に及びます。このような泌尿器科に興味をお持ちの医師あるいは学生の方は是非一度医局までご連絡下さい。随時見学会あるいは医局説明会を催します。また、専門医取得コース、専門医と博士号取得コースなどいくつかの卒後教育プログラムを用意しています。いずれの場合も、若い人たちの個性を延ばし、臨床医としての倫理性と科学性を培う教育をモットーとしています。

 

 最後に、私たち長崎大学泌尿器科は目標達成のために、地域社会に対する適切な情報発信、緊密な病診・病病連携の確立、関連病院派遣医を含めた泌尿器医の診療能力向上および卒前・卒後教育の充実に努め、わが国におけるトップクラスの医療を提供できる診療科として地域医療に貢献したいと願っています。