長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野・長崎大学病院皮膚科・アレルギー科

医学生・研修医の皆さんへ

働きやすい職場環境について

長崎大学皮膚科の職場環境

 働きやすい職場環境を作るために私たちが大切にしている3つの信条をご紹介します。
「互 助」
 大学病院の専攻医コースのメリットは多くの仲間、師と皮膚科学を学べること。入院症例は縦割りのチームで診察と治療を行なうので修練しやすく、誰かの手が込んでいる時は他の人が助けられます。私たちは「互助」の精神を大切にしています。互いに助け合うためには基本的スキルを習得しておく必要があるため、実践的なOn the job trainingと参加型カンファレンス(臨床と病理)により、より早期でのスキル習得に貢献しています。
「コミュニケーション」
 医療で求められる重要なスキルの1つであるとともに、働きやすい環境づくりやキャリアアップにおいても重要です。さらに医師が職場で「働きがい」を感じられるためには、(私)生活の充実も大切です。ロールモデルとなる先輩とのコミュニケーション、女性医師間の情報交換(ライフスタイル、育児など)はワークライフバランスやダイバーシティの構築に役立ちます。
「ダイバーシティ(多様性)」
 ライフスタイルは十人十色。私生活においてすでに今後の人生計画を立てておられる方もいらっしゃるはずです。もちろんこれから考えたいという方もいらっしゃいます。みなさんの計画を考慮しながらキャリア構築の提案をさせていただきます。
 家庭・育児に関しても、長崎大学病院メディカルワークライフバランスセンターと連携しながら、様々なニーズに対応しています。
 皮膚科専門医は取得していただきたいベーシックな資格です。是非、臨床のサブスペシャリティを設けて、その領域の専門医・指導医を取得することで臨床の見識を深めてください。例えば、アレルギー専門医、皮膚悪性腫瘍指導専門医、美容皮膚科・レーザー指導専門医などの学会認定専門医を取得することで幅広い患者ニーズに対応できる技量や知識を得ることができます。みなさんがそれぞれ独自の皮膚科学を構築していただけるようお手伝いをしています。

長崎大学皮膚科の復帰医支援と専門医維持

 復帰医師、特に女性医師の方で、皮膚科に入局し皮膚科専門医になって活躍したいが、出産・子育て等、家庭のイベントと両立しながら専門医を維持することが困難ではないかとお考えの方もおられるかもしれません。
 そこで長崎大学皮膚科では、そのような先生方が専門医を維持できるような体制を整え、実際に運用しています。
 現在の皮膚科専門医資格更新制度では、専門医更新の際、過去5年間以内で、2.5年以上、全日で週12時間以上の皮膚科診療に従事していることを資格更新の条件としています。
 長崎大学皮膚科では、産後家庭が落ち着いた女性医師が「復帰医」として勤務し、週2日程度長崎大学病院で午前中外来診療を、午後はカンファレンスで難治症例の検討や知識のアップデートを行うことも可能です。
 実際に同じようなモデルで仕事をされている先生から、直接話を聞くことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
女性皮膚科医

先輩皮膚科医からのメッセージ

中島真帆先生
中島 真帆 先生
卒後6年目(2019年現在)
キャリア
卒後1年: 長崎大学病院(研修医)
卒後2年: 長崎原爆病院(研修医)
卒後3年: 長崎大学病院皮膚科入局
卒後4年: 長崎大学病院→9月:長崎医療センター
卒後5年: 長崎医療センター
卒後6年: 長崎医療センター(現在)
 現在、卒後6年目で長崎医療センターに勤務しています。皮膚科は、外科的手技もあり、病理も勉強するため、診断から治療まで全てに携わることができます。対象疾患も、感染症、膠原病、アレルギーを含めた炎症性疾患、腫瘍と多岐にわたりに、研究範囲も広いです。学生のときから臨床研究にも興味があり、幅広く勉強できる科だと思い、入局しました。現在、長崎医療センターに勤務し、1年半が過ぎました。地域病院は2~3名と常勤が少ないですが、写真・病理カンファレンス、回診を行い、診断・治療ともに上級医と話し合っています。診断、治療方針についても自分で考えるため、やりがいがあります。また、皮膚科入局後より皮膚リンパ腫に興味があり、皮膚リンパ腫に関する院内研究も頑張っています。皮膚科は、臨床をしていると疑問点がでてくるため、研究にも結びつきやすい科だと思います。
 私は卒後6年目に血液内科の先生と結婚しました。まだ結婚して月日は短いですが、今後のキャリアについてはよく2人で話しあっています。皮膚科は先輩女性医師が多く、子育てをしながら、専門医の取得、大学院での勉強をされている先輩医師が多いです。女性医師が多いため、働き方にも考慮があります。皮膚科医としてのキャリアを積みながら、今後の人生を楽しめたらと思っています。
鍬塚さやか先生
鍬塚 さやか 先生
卒後15年目(2019年現在)
キャリア
卒後1年目: 長崎大学病院 研修医
卒後2年目: 長崎市立市民病院 研修医
卒後3年目: 長崎大学病院 医員
卒後4年目:  長崎原爆病院
卒後5年目: 長崎原爆病院 → 産休・育休
卒後6年目: 健康保険諫早総合病院
卒後7年目: 長崎大学病院 医員
卒後8年目: 産休・育休
卒後9年目: 長崎大学病院 医員
卒後10年目: 皮膚科専門医取得
卒後11年目:  長崎大学病院 助教
卒後13年目: 長崎大学大学院 入学
卒後15年目(現在): 長崎大学病院 助教、社会人大学院生
 長崎大学皮膚科での研修は、皮膚外科・皮膚内科(感染症、膠原病やアレルギー疾患)・皮膚病理と、疾患が多岐に渡るのでとてもやりがいがあり、オーベンに相談しながら経験を積むことができます。外科的手技が苦手な方でも外来でできる簡単な手術が身に付きますし、ちょっとした処置が多いので治療の実感が味わえます。もちろんガッツリ皮膚外科希望の方も十分な手技を学ぶことができます。医局の雰囲気はとても良く、色んな性格の医師がのびのび仕事をしています。
 私は卒後5年目と8年目に産休・育休をとらせていただきました。実家のサポートを受けながら、また医局と相談しながら仕事を続けることができています。日直や当直は、子供が小さいうちは免除してもらっていました。
現在は遅ればせながら大学院で学ばせていただいており、診療と研究に勤しんでいます。医師という職業を選んだ以上、社会に還元することが務めというポンペの考えのもと、自分ができる範囲で、小さいことでも何かを成し遂げることができたらと思っています。
 女性医師と一口に言っても個々人には色んな背景がありますし、それぞれの違った価値観があると思います。この医局ではその都度相談しながら仕事内容を決めていくことが可能です。
芦田美輪先生
芦田 美輪 先生
卒後22年目(2019年現在)
キャリア
卒後1~2年: 長崎大学医学部付属病院、ほか県内の関連病院 研修医
卒後3~5年: 健康保険諫早総合病院、国立療養所川棚病院 常勤
卒後6年目: 産休・育休
卒後7~8年: 長崎大学医学部付属病院、長崎神経医療センター 常勤
皮膚科専門医取得
卒後9年目: 産休・育休
卒後10~14年: 健康保険諫早総合病院 常勤
卒後15年目: 産休・育休
卒後16年~22年: 長崎大学病院 非常勤
 子ども達が4才と6才までは保育園と義両親の協力のもと、日当直を含むフルタイムで勤務していました。仕事と家庭のバランスを取りながらの充実した日々ではありましたが、もう少し余裕を持って長く仕事を続けるために、3人目の育休明けは非常勤を選択しました。約10年ぶりに戻ってきた長崎大学病院は、子育て中のキャリアを支援する体制がしっかり整っており、三男が就学するまでは復帰医という形で週3回の外来を担当しました。現在は医員として外来のほか、専門外来の膠原病関連で臨床研究を進めています。卒後22年目となりましたが、これからもまわりと自分の中でバランスを取りながら仕事を続ける道を模索していきたいと思っています。
 どの時点で結婚して出産するべきか、何年目で専門医が取得できるか、それにはどの科を選ぶべきか、女性医師がキャリアをスタートする時点で最も悩む問題だと思います。結婚や出産の時期は人によってまわりのサポート状況が異なるため、すべて計画通りにキャリアを積んでいけるとは限りません。当科の多くの女性医師もそれぞれ違う状況の中で時に悩みながらも、基本的には皮膚科医としての仕事にやりがいや楽しみを感じながら日々前進しています。ぜひ長崎大学病院皮膚科で、たくさんの選択肢の中から自分に合う分野と働き方を見つけて、素敵なキャリアを積み上げていってください。
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