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Department of Neuropsychiatry, Unit of Translational Medicine, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences

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教授挨拶、教室の歴史・教育理念、目標 new
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未来メンタルヘルス学教室 new


教授挨拶、教室の歴史・教育理念、目標

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
医療科学専攻展開医療科学講座精神神経科学

教授 小澤 寛樹

長崎大学精神神経科の歴史

●1857年(安政4年)、ポンペ(Lidius Cathalinus Pompe van Meerdervoort)が来日し、医学伝習所を開いた。同年11月12日が長崎大学医学部創立記念日となっている。

●1901年(明治34年)、ポンペが開いた医学伝習所と養生所(病院)がいくつかの改称を経て、長崎医学専門学校となった。当時は内科学教授であった大谷周庵が医学生に精神病学の講義を続けた。

●1907年(明治40年) 、長崎医学専門学校の内科から独立する形で精神病学科が開校した。初代教授は新撰催眠療法などの著者である石田昇氏が就任した。開放治療を実践し、恩師である呉秀三の「病者中心の医療」を継承し、開放病棟の試みや作業療法をとりいれた。

●1913年(大正2年)、精神科教授石田昇により長崎県病院に20余名の入院可能な精神病室の建設を計画し、同年11月28日に落成された。

●1917年(大正6年)、歌人であり、斎藤茂太、北杜夫の父である斎藤茂吉氏が2代目教授として赴任し石田の開放治療を受け継いだ。

●その後、5代目教授の高橋良氏、6代目教授中根允文氏らの尽力により、1979年世界保健機構(WHO)より「機能性精神病に関するWHO研究協力センター(1989年精神保健の研究・訓練のための協力センターと改称)」の正式指定をうけており、主にDisaster Psychiatry、Child and Adolesent Psychiatry、Geriatric Psychiatryに取り組んでいる。
 教室の歴史・教育理念

1907
年から続く当教室の歴史を踏まえて、先入観を対象化し、新しいサイエンスの分野を開拓する精神で今後の教室運営に取り組んで行きたいと考えています。

当教室は1979年に世界保健機関(WHO)の認定を受けて以来、「精神保健の 研究・訓練のための協力センター」として国際的な研究を続けております。統合失調症患者の予後や、原爆被災者、雲仙普賢岳の災害を経験した方々の心身の健康状態など、長期間にわたる疫学調査を実施し、そのエビデンスを世界に発信してきました。現在はWHO神戸センターと連携して情報収集を行っています。

統合失調症の分子・遺伝子的研究、双極性障害など内因性精神疾患の原因を探る病態生物学的研究が、当教室による研究テーマの柱であります。現在の主要な研究テーマとして社会精神疫学的研究を軸とし、分子生物学的研究、さらに、脳の構造的な異常と精神疾患との相関を調べるとともに、将来的にはこれらの研究を統合し、より学際的な研究体制を構築することを念頭においております。

診療においては全診療科とのチーム医療体制、いわゆるコンサルテーション・リエゾン精神医学活動を積極的に行っています。長崎県基幹型認知症疾患医療センターとして、「物忘れ外来」や、認知症に関して専門家へのセミナーや県民に対する認知症に対する公開講座を企画しています。今後も医療のニーズに合わせてさらに充実させるべくシステムを再構築しています。作業療法では院内にて心理教育的な活動を行っています。子どもや保護者、教育関係者へのカウンセリング、子どもたちの精神発達状況の調査、公開講座の実施、機関紙の発行などを行うほか、発達障害、虐待などの専門家による「児童思春期専門チーム」(長崎県地域児童思春期診療部)を発足させ対応しています。未来メンタルヘルス講座と連携してロボットを用いた研究診療を展開しています。

WHOが重要視している精神疾患への偏見をなくすことは最重要課題でもあります。そのための教育を充実させる試みとして、精神障害をテーマにした映画を鑑賞後、症状を検討しながら論議する医学ゼミナール「シネマサイキアトリー」を開講。最も受講者が多い医学ゼミのひとつとして評価されています。 さらに千葉県流山市の「ひだクリニック」の協力を得て当時者参加型の講義も行っており、あらゆる教育機会をとらえて精神疾患への理解を求めています。
精神神経科教室の目標

「教室員の多様な可能性を共有し、それをサポートする凝集力のある集団であり、精神医療に対するスティグマ(偏見)を是正し、患者さんの生活の向上を目指す集団であること」

1)仲間を増やす
2)教育≧臨床・研究(教育を中心とした教室運営)
3)総合病院としての大学精神科の役割を担う
4)地域医療を担う
5)人事に対する約束を守る
6)国内外に通用する臨床家・研究者の育成を実践する

とりわけスティグマの是正の重要性は精神医学において本質的な課題と考えている。