膵島細胞移植に関する研究
概 要

   1型糖尿病、あるいは膵炎により膵機能が悪化した患者への治療に膵島細胞移植があります。ドナーから提供された膵臓、もしくは本人の膵臓を摘出し、膵臓を分離消化し、インスリンを分泌する膵島細胞(Islet cells)のみを抽出、膵島細胞を肝臓の中にある門脈という血管へ移植をするという治療です。
 当科では2012年4月より膵島細胞移植認定施設に認定され、実臨床に向けた準備を行うとともに、さらなる治療効果を生むための研究を日々行っております。

 

概要
海外との交流

   膵島細胞移植は、カナダ・アルバータ大学から2000年に発表されたEdmonton protocolをブレイクスル―として、昨今発展しております。アルバータ大学は多数の臨床膵島細胞移植および基礎的研究を手掛けておりますが、我々も膵島分離のスキルアップ、および臨床実施に向け、留学を行ってきました。

 

海外との交流
CPCを用いた医療

   CPC(Cell processing center)とは、24時間稼働の無菌室で外界からの汚染を防ぐ為、部屋の全ては各々固有の室圧にコントロールされ、また外気の侵入を防ぐことで、高い清浄度を保っております。長崎大学病院にも2010年に新たに設置されたCPCにて膵島細胞分離は行われることとなります。

 

CPCを用いた医療
膵島分離・移植修練

   本邦の膵島細胞移植はドナー・レシピエントともに豊富な環境でありません。臨床施行を常に意識したうえで、ブタなどの大動物を用いた分離・移植実験を適宜行い、技術の維持向上に努めております。

 

膵島分離・移植修練
膵島細胞移植の基礎研究

   膵島細胞移植は未だ成績改善の余地がある医療です。当科でも、基礎的研究により膵島細胞移植の成績を向上させ、よりよい移植医療を患者さんに提供すべく、大学院生を中心として日夜問わず研究を続けております。現在では、幹細胞を用いた膵島細胞移植研究を主眼に置き活動しており、幾日か後には、素晴らしい研究成果を発表できればと考えております。

 

膵島細胞移植の基礎研究