関連教育研究施設等の概要と特色

長崎大学病院

 長崎大学病院は,32診療科,26中央診療施設,869病床の規模を有し,卒後教育・臨床研修機関及び地域における中枢的医療機関として重要な役割を果たしています。特に長崎が原爆の被災地であり,放射線障害に関する診断,治療面で多くの実績をあげていることから,この分野における国際的な医療協力にも貢献しています。
 医学を学ぼうとする若人よ,長崎大学に来たれ,長崎大学医学部は君達を歓迎します。

原爆後障害医療研究所

 本研究所は大学として世界で唯一直接に核兵器の被害にあった歴史を持つ本学に昭和37年(1962年)設置され,原爆被爆者にどのような障害が発生するか,またその治療はどのように行うか, さらに放射線による障害はどのようなメカニズムで起こるかなどの研究を目的として日夜研究を続けています。20万人を越える原爆被爆者の健康診断のデータがコンピュターに入力され、被爆者の健康管理に活用されています。
 近年はチェルノブイリ原発事故後の調査も行い, 小児甲状線癌の多発している実態を明らかにしています。研究組織は各々4研究分野よりなる放射線障害解析部門と分子医療部門の2大部門と, 国際放射線保健部門および資料収集保存部より構成され, 8名の教授, 1名の外国人客員教授をはじめ, 8名の助教授, 14名の助手や多数の大学院生並びに研究生が研究を行っています。また, 展示室には, 原爆の医学的被害がわかりやすく展示され, 一般に公開されています。

熱帯医学研究所

 この研究所は,わが国の国立大学に設置された熱帯医学研究に関する研究所であります。研究部門として,3大部門13研究分野があり,原爆後障害医療研究所とともに大学院医歯薬学総合研究科を構成しており,この2つの研究機関の存在は大学院医歯薬学総合研究科を非常に特色あるものにしています。

動物実験施設

 医学において必要な動物実験を,動物(生物)の生命を尊重しつつ,科学的に行い人類の福祉と健康に貢献するために昭和55年に設置されました。特に感染実験設備に関しては全国有数の規模を誇っています。なお,本施設は長崎大学全学の共同利用施設となっています。

医学部記念講堂前庭の風景

左にシーボルト先生顕彰碑,右手に角尾晋先生胸 像(長崎医科大学長,昭和20年8月原爆死)がみえる。

シーボルト先生顕彰碑には

見られよ! 君達の植物が此にくる年毎に緑そひ,さきいでて,そが植えたる主を偲びては,愛でたき花の鬘をなしつつあるを -呉秀三博士訳による-
というシーボルト先生の言葉が刻まれています。

 医学部構内にはこのほか数多くのモニュメントがあり,学生達の学問への情熱をかきたてているとともに,教職員と学生との語らいの場ともなっています。

新入生研修会

 毎年4月には教職員と学生が研修を行います。グル-プ討論などを通じ人生や学問などを語り合い,親睦と交流を深めます。

ポンペ賞

 長崎大学医学部の創設者であるポンペ・ファン・メールデルフォールトを記念して新卒業生を対象にポンペ賞が設けられています。
 ポンペ賞は卒業成績が上位3位までの者,社会福祉事業等において献身的な活動を行った者や全国レベルの競技会で優勝またはこれに準ずる成績を挙げた者に贈られます。表彰状とともにブロンズのポンペのレリーフをはめ込んだ立派な楯が毎年少なくとも3名の受賞者に卒業式の日に寄贈されます。この賞を励みに多くの学生が社会が認める良医を目指して努力してくれることを願っています。

ポンペ会館

 長崎大学医学部創立130周年,原爆復興40周年を記念して,同窓生の親睦と教育研修や学会のための会場を持ち,日蘭医学交流資料展示室も兼ね備えた会館が平成4年8月に竣工しました。
 長崎大学医学部の創立者であるポンペ・ファン・メールデルフォールトにちなみ「ポンペ会館」と命名され,長崎医学同窓会から贈られたものです。