長崎大学医学部長
池松 和哉
長崎大学医学部は日本最初の西洋医学発祥の地の医学部であり、また、世界で唯一原子爆弾投下の被害にあった医学部です。このことは他の医学部にはない特徴であり、今後も大切に伝えていきたい、重要な歴史だと思っています。一方で、学問としての医学、医療や社会情勢は日々変化しており、古き良きものを大切にしつつも、変えるべきものは変えていくことも必要です。長崎大学は 2020 年から「Planetary Health(地球の健康)に貢献する大学」を目指すことを掲げ、医学部でも「人の健康、地球の健康、あなたの未来 RAPID ACTION!」のスローガンのもと、医学教育、研究、診療を行ってきました。その結果、2017年に医学教育評価機構による医学教育分野別評価の際にも高い評価を受けました。
医学科では放射線医学、被ばく医療、熱帯医学、感染症研究、離島・地域医療など、特徴のある教育プログラムがあります。医師となるに当たり必要とされる、多職種連携教育にも力を入れています。また、リサーチセミナーや臨床実習では、学内での実習の他に、シーボルトにゆかりの有るビュルツブルク大学をはじめ多くの海外の大学と協定を結んでおり、希望する学生には海外で実習を行うことができるようにしています。長崎大学医学部医学科には教育に熱意あふれる指導陣が揃っており、このように変化しつつある未来の医学、医療を担う人材を育成することがミッションだと思っています。地域医療を担いたい、あるいはグローバルに活躍したいと意欲あふれる皆さんと共に学び、お互いに高め合いながら医療人として成長していくことを楽しみにしています。